小さいときから、主人公に憧れていた。
だから、
チームが優勝することよりも、
自分がハットトリックを決める方が嬉しかったし、
他のチームメイトが注目されているのが気に食わなかった。
負けたけど自分は点を取ったからいいやと、本気で思っていた。
主人公なんてものじゃない。
タチの悪いエゴの塊だった。
そんな自分を、ラクロス部は変えてくれた。
悩みに真摯に向き合って一緒に考えてくれる人がいて、
自分の強みに気づかせてくれる人がいて、
チームのことを必死に考えてくれる人がいて、
ラクロスを自由にやらせてくれる人がいて。
周りには尊敬できる人たちばかりだった。
「チームのために」
という感情が初めて芽生えた。
「全員で勝ちたい」
と本気で思えるようになった。
そして今年、4回生になって、
いろいろな人の想いを身近に感じながら、ラクロスをしている。
正直、楽しくて楽しくて仕方がない。
理由を挙げればキリがないけど、
1番は、やはり同期の存在だと思う。
呆れるほどたくさんの怪我をして
何一つチームに貢献できないでいた自分を
見捨てないでいてくれて
ありがとう。
もう、誰が活躍したっていい。
誰が注目されたっていい。
全員で、勝つ。
そして俺たちが、
20KULが、
今年のラクロス界で1番の主人公になろう。
そのための突破口は、
俺が切り拓く。
あと1か月。
最も熱い1か月を、
全力で走り切る。
WRITER:小倉拓